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zoom RSS 天使の魔法 その78

<<   作成日時 : 2017/01/04 12:46   >>

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アルフォンソは、熊と犬と人の思いがけない
三つ巴の闘いに背を向け、
クリスティーネの元へと、空高く舞い上がった。

銃声と、叫び声が、入り交じって聞こえたが、
後戻りはしなかった。

アルフォンソが、熊を攻撃したのは、
あくまでも、コギツネから熊を遠ざける為だった。


クリスティーネは、コギツネに寄り添って、
その傷口を優しく舐めていた。

コギツネは、甘える様にかすかな声を漏らすと、
体を僅に震わせ、そして、息をひきとった。

クリスティーネは、わが子を抱き締めたまま
いつまでも動かなかった。

柔らかな尾でわが子を包み、
眠っている子を揺り起こす様に
鼻先で頬をつつく。

何度そうしても、コギツネは目を開ける事はない。
わが子の体が冷たくなっていくのを
肌身に感じながら、クリスティーネは、
じっと悲しみに耐えていた。


アルフォンソは、傍らでただじっとクリスティーネを
見つめていた。

今はただ、腹を空かせた他の輩が、
二匹を襲う事のないように、
見守る他はなかった。


その時だった。
突然、強い風が吹き付け、雪を舞い上げた。
地吹雪で、辺りは一面真っ白になり、
何も見えない。

さすがのアルフォンソも、
太い木の幹の陰に隠れ、やり過ごすしかなかった。
溶けかけた雪は、氷の欠片の様な荒いつぶてとなって、
羽を容赦なく打ち付けた。

我慢も限界かと思った頃、
風がピタリとやみ、
太陽が差し込んだ。

日の光は、空中の氷の粒を銀色に輝かせた。


この世のものとも思えん。


アルフォンソは、その煌めきにみいっていた。


我に返った時には、

クリスティーネも、コギツネも、とともに
姿を消していた。


クリスティーネ!!!


アルフォンソは、叫んだ。

けれど、それに答える声は、なかったのじゃ。









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