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zoom RSS 天使の魔法 その79

<<   作成日時 : 2017/01/07 08:41   >>

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アルフォンソは、深く悔やんだ。
突風を避けて、幹の裏に逃げ込んだ自分を責めた。


何の為の翼なのか。
誰よりも強さを誇ったこの翼は。
この翼を、クリスティーネとコギツネの上に広げて、
地吹雪から守らなければならなかったのに。


直ぐにでも、クリスティーネを探しに行きたかったが、
アルフォンソには、役目があった。

森での出来事は、長老に報告しなければならない。


自分の気持ちに鞭を打ち、
アルフォンソは、
帰らずの谷の崖へと戻った。

上空から、見渡したが、
熊も、犬も、人も、陰も形もなかった。
ただ、崖の淵が、大きく崩れた跡だけが
残っていた。

突風と地吹雪で視界を失い、
2頭と一人は、谷底に落ちたようだ。

あの谷に落ちたものは、二度と戻らぬ。



アルフォンソは、そう思いながらも、
谷底へと降りていった。

すると、岩肌の間から突き出ていた、
古くて折れ曲がった木の枝に、
ステファンの父親が、引っ掛かっておった。

あばら骨が折れてのう。
哀れにも、瀕死の状態じゃったが、
何かをくわえたまま、放さなかった。

それはの。
ハンターのリーダーの服の切れ端じゃった。

谷に吸い込まれる直前まで、
リーダーを助けようとしていたんじゃろう。


アルフォンソは、その木の枝に止まると、
ステファンの父親の顔を覗き込んだ。

ステファンの父親は、アルフォンソに気づくと、
こう言ったそうじゃ。


出来る限りの事はした。
ハンターは、この上の崖の窪みにいる。
熊は、谷に落ちた。

出来れば、私も谷に落として欲しい。
天使の歌を聞きながら、
谷底の川に落ちれば、流されて、
ステファンのもとへ戻れるかもしれない。


そういう訳じゃ。
帰らずの谷に向かうのは、
誰にとっても、辛い事。

アントニオ、

それでも、お前さんは、
行くかの?










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