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zoom RSS 天使の魔法 その90

<<   作成日時 : 2017/02/06 17:57   >>

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紅に燃える伝馬の
いななきは
谷を渡り
銀のベールの
天使を導く


アントニオは、何度も呟いた。

それは夕べ、ラウルが教えてくれた、
森の賢者に伝わる美しい詩。

アントニオは尋ねた。


ラウルは、天使を見たことがあるの?


ラウルは、答えなかった。

ただ、一言こう言った。


天使の歌声を聴くのは、
谷底に落ちたものだけ。


ラウルは、アントニオを抱え直すと木を降り、
到着したばかりの、まるで小山の様なメスの猪の背中に
アントニオを寝かせた。

カルメリージャは、ゆっくりと歩きだした。
止めどなく続くお喋りを聞きながら、
アントニオは、うつらうつらとしていた。


天使に会いたいなんて、
とんでもねえ望を、
なして、持ったかねえ。

猫のこっこは、おとなすーく、
日向ぼっこでも、してるもんだ。

帰らずの谷なんて、おっそろしいとこさ、
いかなくてもよ。

蝶々追いかけて遊べる花畑の方がよ。
よっぽどの極楽だべさ。

物好きにも、ほどがあるべ。

悪いこと言わんからよ。
帰らずの谷ば眺めたら、
街にお帰りよ。

仲間にはな。
今までしてきた冒険ば、
面白可笑しく語ってやったら、
みいんな、大喜びだべさ。

そんでよ。
おめさんが、無事にけえった事さ、
一番に喜ぶべよ。

うんうん。

友達ってば、そう言うもんだべ。


カルメリージャの話はだんだん、小言めいてくる。

でも、不思議と腹は立たなかった。

あったばかりなのに、
何だか、ほんわかしてくる。


アントニオは、
カルメリージャに体を預たまま、
深い眠りに落ちた。










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