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zoom RSS 天使の魔法 その94

<<   作成日時 : 2017/02/12 12:17   >>

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あにきい。

影も形もみえませんぜ。
アルフォンソの。


空を見上げながら、ロレンソが大声をあげた。


日はとっぷり暮れて、
遊び疲れたうり坊たちは、
茂みの中で、身を寄せ合って
眠りこけている。


まさか、このまま、
戻って来ねえんじゃ?


不吉なことを言うもんじゃねえ!


そう言いながらも、アレハンドロも動揺を隠せない。


ほんの小一時間だと思ったから引き受けたが、
この分では、明日も子守りは確定だ。

アントニオが、もうすぐ念願の天使に会えるというので
引き受けた。

だが、このうり坊たちのおっそろしいパワーは半端ではない。


こいつら、不死身か?

ロレンソに持ってこさせたボールをあっという間に破裂させ、
隙を見せれば、頭突きならぬ鼻突きをくらう。

目をはなせば、どこの藪でも踏み込んでいって
迷子続出。

ロレンソが、しぼんだボールに枯葉を詰め込んで、
投げてやれば、取り合って大騒ぎ。

自由奔放なのは良いが、
まったく、しつけがなっとらん!

カルメリージャが帰ってきたら、みっちり説教してやろう。

そうだ、説教だ、せっきょ・・・う・・・


と、そこまで考えたところで、
カルメリージャのその破壊力抜群の鼻が思い浮かんだ。


下手に怒らせたら、反撃を食らうのは、目に見えている。


ううう。
説教は、逆効果か。
なにしろ、アントニオを運んでくれているんだし。

それにしても、明日もこの調子だと、
身が持たねえ。

最近の、子育ては褒めるのが基本らしいが。
褒めるってどうすんだ?


アレハンドロは悩んだ。

何しろ、自分自身が褒められた経験が薄いので
何も思い浮かばない。

褒められれば嬉しいもんらしいが・・・

嬉しかった事、嬉しかった事ねえ・・・


と。そこで、
アレハンドロの脳裏に、一人の女の子の顔が浮かんだ。

あの鈴を、届けてやった時は、
あの子はあんなに嬉しそうだった。

何故か自分嬉しくなった。
あんな気持ちになったのは、初めてだ。

急に照れ臭くなって、
ロレンソのそばを少し離れると、
爆睡している、うり坊たちを眺めた。


こいつらも、今は、小うるさい母親が留守で
羽を伸ばしてるんだろうが、
そのうち、寂しくなるんだろうな。

ま、今んとこ、体張って遊んでやるしか
思い浮かばねえし。
なんとか、するしかねえ。


ほんのり、灯った心の明かりを
思い返しているアレハンドロ。
ロレンソはだた、空ばかりを眺めている。


そおいやあ、
昔、ステファンが言ってたな。

レスキュー隊を引退した後、
豚の番を頼まれたことがあったって。
なんでも、おっそろしく鼻の利く豚がキノコを探すと、
褒美をもらえるって。

こいつは、使えるかもしんねえ。


呆けた顔のロレンソに、アルフォンソは声をかけた。


おめえ、ちょっくら、頼まれてくんねえか?
街の菓子屋のごみ箱からよ、
飴玉一っ袋調達してきてくれ。


飴玉?
何するつもりなんで?

アルフォンソの話を聞いたロレンソは、

へー、へー、へー!
アニキって頭いいっすね!
ほんじゃ、善は急げってことで。


二羽のカラスには、夜空の月が、笑ったように見えた。



















        

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